○南富良野町イトウ保護管理条例
平成21年3月24日
条例第1号
(目的)
第1条 この条例は、かなやま湖及び空知川水系に生息するイトウが、町民の豊かな生活に欠かすことのできない、町の多様な自然の象徴的存在であり、かつ、釣魚や観光等における貴重な価値を有することにかんがみ、町及び町民等が一体となつて、イトウの適正な保護管理を図り、これを町民共有の財産として次代に継承し、もつて町内の生物多様性の保全及び活力ある水と緑豊かなまちづくりの推進に寄与することを目的とする。
(1) かなやま湖及び空知川水系 金山ダムより上流のかなやま湖及び町内空知川水系全域(全ての支流及び分流を含む。)をいう。
(2) 釣魚や観光等 釣魚、観光、学術研究及び環境教育をいう。
(3) 町民等 町民、滞在者、旅行者及び事業者をいう。
(4) 採捕 水生動物の生きている個体の捕獲及び水生動物の生きている卵の採取をいう。
(責務)
第3条 町は、イトウの分布状況及び生息状況の把握に努め、町及び町民等は、必要に応じて互いに連携を図り、及び協働し、イトウの適正な保護管理が図られるよう努めなければならない。
2 町及び町民等は、イトウの生息に影響を及ぼすと認められる事業の実施に当たつては、イトウ及びその生息環境の保護に配慮しなければならない。
(保護区の指定等)
第4条 町長は、イトウの保護管理を図るため必要があると認めるときは、その生息地であつて、分布状況及び生態その他生息状況を勘案してイトウ保護のため重要と認める区域を、イトウ保護区として指定することができる。
3 町長は、指定をしようとするときは、あらかじめ、第10条に規定する審議会の意見を聴かなければならない。
4 町長は、指定をしようとするときは、あらかじめ、規則で定めるところにより、その旨を告示しなければならない。
5 指定は、前項の規定による告示によつてその効力を生じる。
6 町長は、イトウ保護区に係るイトウの生息状況の変化その他の事情の変化により指定の必要がなくなつたと認めるとき又は指定を継続することが適当でないと認めるときは、指定を解除することができる。
(保護区における採捕自粛)
第5条 町長は、町民等に対し、イトウ保護区の区域内では、定められた期間において、定められた水生動物の対象種の採捕を自粛するよう要請するものとする。
(特定移入動物の指定等)
第8条 町長は、人為により、第2条第1号に規定する区域外から持ち込まれた種及び同区域内に生息するものと同種であつても同区域外から持ち込まれた別の地域個体群由来の個体で、イトウの生息に影響を及ぼし、又は及ぼす恐れがある水生動物(卵を含み、生きているものに限る。)を、特定移入動物として指定することができる。
(特定移入動物を放つことの自粛)
第9条 町長は、町民等に対し第2条第1号に規定する区域への特定移入動物を放つことを自粛するよう要請するものとする。
(審議会の設置)
第10条 町は、南富良野町イトウ保護管理審議会(以下「審議会」という。)を設置する。
3 審議会は、前項の調査審議を行うほか、町内のイトウの保護管理に係る事項に関し、町長に意見を述べることができる。
(審議会の組織等)
第11条 審議会は、学識経験を有する者、その他町長が適当と認める者のうちから町長が任命する委員により組織する。
2 委員の任期は3年とする。ただし、再任されることを妨げない。
3 前各項に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、町長が別に定める。
(保護巡視員)
第12条 町長は、第4条第1項の規定により定めるイトウ保護区に係る必要な巡視を行わせるため、イトウ保護巡視員を置くことができる。
2 イトウ保護巡視員に関し必要な事項は、規則で定める。
(啓発活動)
第13条 本条例における町民等への自粛要請は義務づけを伴うものと解してはならない。
2 町は、本条例の実効性が確保されるよう、関係機関と協力して、町民等に対する啓発活動を行うものとする。
(委任)
第14条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附 則
この条例は、平成21年4月1日から施行する。