○監査手続に関する内規
昭和43年11月1日
第1条 本町における監査は、この内規に定める手続を標準として実施する。
第2条 監査委員が交替した場合は、新任委員の就任後の監査委員会議において改訂の要点について協議する。
2 事務組織の変更その他監査の条件に著しい変化が生じた場合も又、前項と同様とする。
第3条 監査委員は、定期及び臨時に会議を開いて、次の事項について意見の調整を図る。
(1) 監査基準に関する条例その他規程類の改廃に関すること。
(2) 監査計画の決定及びその執行に関すること。
(3) 監査意見の決定、講評、報告及び公表に関すること。
(4) その他必要な事項
2 前項の定例会議は、毎月の出納検査日とする。
第4条 監査計画を分けて、年間計画及び個別計画とする。
第5条 年間計画は、各種監査についてその実施時期、期間を予定して毎年4月中に次の1年間について決定する。この場合、執行機関の長が特に希望する事項については、計画決定に当たり参酌する。
2 前項の計画は、決定後に特別の事情が生じたときは、監査委員の合議によつて変更することができる。
第6条 個別計画は、各監査ごとに、おおむね次の事項について、実施の都度定める。
(1) 監査の範囲
(2) 基本着眼点
(3) 監査資料の項目及び様式
(4) 準備、監査実施、講評、報告等に関する日程
第7条 内閣総理大臣その他の要求又は請求に基づく監査については、その都度監査委員の合議によつて執行方針、計画を決定する。
第8条 前項の監査を除いて、各種監査の実施は準備、通知、説明聴取、書類審査、事実審査、講評及び報告、公表に分けて、以下に定めるところを標準とする。
記
第1 準備
1 月例出納検査
(1) 会計管理者提出の検査資料の検算を行ない、次の事項を調査しておくこと。
ア 指定金融機関等から、月末在高証明をとつておくこと。
イ 前月度の資料と不整合の事項
ウ 例月に比較して著しく異常と認められる事項
エ 書面上明らかに不適当と認められる事項
オ その他不審と認められる事項
2 その他の監査(決算審査を除く。)
(1) 監査対象業務に関する監査基準日
現在の収入、支出状況を出納検査資料から摘記すること。
(2) 対象業務に関して問題とされた事実、議会その他一般の評価、問題点を摘記しておくこと。
(3) 前2項の資料に基づいて、監査委員会議を開いて監査目標を概定して、基準資料以外の資料要求の要否、必要と認めるときはその資料様式を定めること。
第2 通知
1 月例出納検査
毎月10日を定例日として、特別の事情により変更する場合の外は通知しない。
2 その他の監査(決算審査を除く。)
説明聴取日の10日前に、それぞれの首長に通知するとともに、関係部課長に対し、監査の範囲及び必要な資料の作成、送付方について連絡する。
3 決算審査
説明聴取日の3日前までに通知する。
第3 説明聴取
1 月例出納検査
(1) おおむね次の事項について、説明を求めてその要旨を摘記しておくこと。
ア 前年同期との比較、前月度との異動を明らかにし、特に著しい変動のあるときは、その理由
イ 収入、支出について非経常的、異例に属する事項
ウ 各会計の資金残高から見て、一時借入金、会計間の資金融資について過当と認められるものについては、その必要とした事情
エ 期間中の契約その他債務負担行為の概要(財産の購入、主要な請負工事、備品の購入契約は個別的に、その他は件数、金額)
オ 期間中の用品の検収及び払出し数及び金額
カ 期間中の財産、重要備品類の得喪、火災、盗難等による財産、施設、備品、現金等の減損
キ 以上の説明について不分明のものについては、必要の場合主管課長について補足説明を求めること。
(2) 収入、支出の項別期末累計額について資料と帳簿との計数、照合を行ない、不符合の場合はその事由を明らかにする。
(3) 前号の照合の上、資料の資金残高と預金残高証明並びに小口現金在高との突き合せを行ない不符合の場合はその事由を明らかにすること。
(4) 期間中任意の日を選んで、当日に於ける帳簿資金残高について、帳簿と預金残高等の間に突き合せを行なうこと。
(5) 歳計外現金については、以上各号に準じ、説明聴取と資金在高の突き合せを行なうこと。
2 定期監査
提出資料を基としておおむね次の事項について説明を求めて、その要旨を摘記しておくこと。
(1) 職員の組織、構成、各員の業務特に財務の分担、業務量を明らかにして、内部統制及びその運用の良否及び組織の脆弱面
(2) 行政対象の状況と行政需要(未処理陳情、請願を含む。)とを明らかにして、これと予算化された事業計画との関係
(3) 業務執行方法に関して、前期に比較して改善、変更したものがあるときは、その内容及び成果
(4) 予算及びその年間執行計画と予算執行状況(歳入調定額、収入済額、支出負担行為の金額、支出済額及び業務成果)との関係、その著しい不均衡のあるときは、今後の措置見込
(5) 期間中執行した主要工事、事業又は行事の執行経過、その間に生じた事故、欠陥及びこれに関する将来の改善方策
(6) 業務に関して内外の批判を受けた事項及び執行上の過誤その他の事故
(7) 業務の合理的、能率的処理上、他の部課の機能との関係で障害をなし、または改善を要する事項
(8) 異例な取扱、処理をした事項又は処理方法の適否について疑いのある事項
(9) 盗難、火災等の事故及びその事後措置
(10) 従前の監査意見に関する処理状況
3 随時監査
その時の監査目的及び範囲に応じておおむね定期監査について記したところに準ずるが、特に(4)ないし(6)及び(8)の事項に重点をおくこと。
4 財政援助団体監査
おおむね次の事項について説明を求める。
(1) 援助団体の業務、財政の概状と援助を必要とする事情
(2) 援助申請した事由と援助条件との関係
(3) 援助条件の実行状況とその成果
(4) 援助団体の立場からみて、その援助方式以外に一層成果をあげ得ると認める方式についての意見
5 決算審査
次の事項に関して説明を求めて、その要旨を摘記しておくこと。
(1) 決算数字の概略と従前の決算に比較して特異と認める事項
(2) 前年度決算に比較して科目の取扱い、その他決算書作成上変更のあつた事項
(3) 出納閉鎖時の月例出納検査資料の計数に変更のあつた場合はその内容及び理由
(4) 予算流用、予備費充当に関する経過とこれに関連して、予算積算の適否に関する見解
(5) 歳計残資金に関する決算処理の状況(これに関連して預金在高等の突き合せ及び処理事実の確認を行なうこと。)
第4 書類審査
1 月例出納検査
(1) 計数審査
次の計数審査を行なつて不符合を発見したときは、資料計数審査調書に記入した上、質問によつてその事由が明らかになつたときは、関係書類についてこれを確認して、それぞれの事由欄及び正誤欄の記入を行なうこと。
a 普通会計について
ア 歳入簿、歳出簿の検算を行なうこと。
イ 税外収入について主管課の整理簿の収入済額の検算を行なつた上、その合計額と資料計数との突き合せを行なうこと。
ウ 税収入について、主管課の徴収月計表の検算(日計額の合計計算)を行なつた上、資料計数との突き合せを行なうこと。
エ 歳出については、節単位に支出命令金額を集計して、これと資料計数との突き合せを行なうこと。
b 企業会計について
ア 元帳各勘定科目別に検算を行なうこと。
イ 料金収入について、適宜に月間の2日分を採つて、その原始帳票の合算計数と金庫の収入日計表の該当計数との突き合せを行なうこと。
ウ 試算表の預金、現金勘定貸方の合計金額と支出証憑(支出命令)の合算額との突き合せを行なうこと。
〔備考〕 試算表と元帳との突き合せは説明聴取の際執行済みにつき省略
(2) 支出命令(支出証憑)の審査
支出命令の試査(又は精査)を行ない、欠陥を認めたものについては、支出命令調書に該当記入を行なうこと。
試査の程度は無差別抽出により10分の1等とする。
(3) その他の審査
ア 説明聴取事項のイ、カに関して、それぞれ主管課の書類について、説明の当否、処理の適否を審査し、それぞれ異例事項審査調書、資産変動審査調書にその経過を記入すること。
2 一般事務についての定期監査
(1) 審査方針の決定
説明聴取を通じて新たに把握した問題点をも参酌して、準備2の(3)で既定した監査目標を再検討して監査方針を確定するとともに、書類審査の方針、特に精査の範囲、試査(一部抽出)の方針、程度を決定すること。
(2) 計数審査
次の計数審査を行なつて不符合を発見したときは、その旨資料計数審査調書に記入した上、質問によつてその事由が明らかになつたときは、関係書類について、これを確認して、それぞれの調書の事由欄、正誤欄の記入を行なうこと。
(a) その課で管理する歳入、歳出整理簿の検算を行なうこと。
(b) 歳入調定簿の検算を行ない、その合計額とこれに対応する収入原因たる事実に関する書類帳票の合計金額及び納入告知書の合計金額との三計数の突き合せを行なうこと。この場合、税務及び企業使用料については、適当な抽出により、調定簿の一部の試査とする。
(c) 提出資料の収支計算表と該当出納検査資料の計数(正誤分)との突き合せを行なうこと。この場合出納検査資料の計数が他の課係の収入と合算されているものについては、歳入歳出元簿の該当記帳計数と突き合わせること。
(d) 収支計算表中調定額計数と(b)の調定簿合算額との突き合せを行なうこと。
(3) 歳入に関する審査
(a) 前年度決算における収入未済額の当年度への繰越手続きの適否を調査して、調定額審査調書にその経過を記入すること。
(b) 認定手続の適否の試査を行なつて、過誤を発見したときは、調定額審査に記入した上、質問によつてその事由が明らかになつたときは、関係書類によつて確認した上、同調書事由欄及び正誤欄の記入を行なうこと。
(c) 認定の誤謬訂正または減免措置については、その事由、手続きの妥当性を検討の上、調定修正審査調書に記入のこと。
(d) 各歳入種別ごとに徴収歩合を計算の上、いちじるしく低率のものについては、質問によつてその事由を明らかにし、歳入確保に関する措置の適否及び徴収歩合向上の方策を検討して、徴収成績審査調書に記入すること。
(e) 不納欠損処分及びその手続の当否を調査して、その結果を不納欠損処分審査調書に記入すること。
(4) 歳出に関する審査
(a) 試査によつて債務負担行為その他支出の原因たる事実についての書類、帳票について、成規の方針、手続に従つているか否かを審査して、処理上欠陥を認めた場合はその事実を支出原始記録審査調書に記入した上、質問によつてその事由が明らかになつたときは、関係書類について確認した上、同調書の事由欄及び正誤欄の記入を行なうこと。
(b) 前号の書類、帳票から判断される金額と、これに関する支出命令書の金額とを突き合わせ、差異が認められた場合は、収支計算審査調書に記入すること。
(c) 主要工事については、提出書類に記載されている以外に該当工事の有無を検討した上、各原議について工事審査調書所定欄の記入を行ない、記入事項相互の不整合その他不審の事項は質問によつて当否を明らかにして、同調書所感欄の記入をすること。
(d) 財産、主要備品の異動については、現品と支出命令添付の納品書(検収書)の記載との合否、不動産登記証書との合否を調査した上、異状があるときは、これを財産備品審査調書に記入すること。
(5) 予算経理に関する審査
(a) 歳入について、各歳入種別ごとに歳入調定額(既調定額と今後の調定見込額を含む。収入額についても同様)及び収入額との比較表を作つて、これらと予算の積算計数と比較して、その著しく異なるものについては、予算積算の基礎を確かめた上、その適否を判定して予算経理審査調書に記入すること。
(b) 歳出について各目別に支出済額と今後の支出見込額との合算額との比較表を作り、説明聴取2の(2)及び(4)の聴取事項をさらに確認の上、予算執行の当否、予算精算の適否を判断して予算経理審査調書に要領を記入すること。
(6) その他の審査
(a) 説明聴取2の(1)の事項について、内部統制との関係及びその実際の運用状況をみて、その適否を内部統制審査調書に記入すること。
(b) 説明聴取2の(6)ないし(9)の事項について実状を調査の上、その他の事項審査調書に記入すること。
(7) 試査の方法、程度
試査の範囲、程度は、不正、誤謬発生のおそれの程度をみて、各審査ごとに決定するが、通常の状態では、おおむね次による。
(a) 歳入調定の適否の審査については、特に件数の少ない部課については全部、その他については5分の1程度とし、税務、企業料金については、特に重要、または不審と思われるものの外、無差別抽出により(10)件程度とする。
(b) 支出負担行為その他支出の原因たる事実に関する書類、帳票の審査は、特に重要異例と認めるものの外無差別抽出により10分の1程度とする。
3 事業(企業)の定期監査
2の一般事務の定期監査の手続によるほか、減価償却の当否を検討の上、期間損益、原価分析を行なつて、これを前期の実積及びできる限り類似(近隣)地方団体の実績とも比較して、特に問題と認められる事項については細密な審査を行ない、その結果を業務成績審査調書に記入すること。
4 随時監査
その時の監査の目的、範囲に応じて、2及び3の監査手続に準じて行なうが、試査の範囲、程度については一層周密なものとする。
5 財政援助団体監査
説明聴取に引続き、聴取事項確認のための関係書類の審査を行ない、聴取事項別に財政援助審査調書に記入すること。
6 決算審査
(1) 計数監査
(a) 決算書と歳入、歳出原簿との照合を行なうこと。
(b) 決算関係書類の検算を行なうこと。
(c) 各会計決算別に出納閉鎖時出納検査資料(訂正分)と照合して差異のある場合は、これを決算修正事項調書に記入すること。
(d) 歳入調定額については、決算額と各課の調定簿との計数突き合せを行ない、差異のあるときは、調定額審査調書に記入すること。この場合、過年度分については、前年度決算額の繰越措置に注意すること。
(e) 各課より歳入未済額について報告を求め決算書の計数との突き合せの上差異のあるときは、歳入未済審査調書に記入すること。
(2) 内容審査
(a) 決算修正事項について関係原議、書類について修正を要するに至つた事由を明らかにして、修正措置の当否を判定して決算修正事項欄の記入を行なうこと。
(b) 歳入未済調書について、収入状況が著しく不良その他妥当を欠くと認められるものについては、事由を調査した上、同調書所定欄の記入を行なうこと。
(c) 不納欠損処分については、内容、手続の当否を審査して、欠損審査調書を作成すること。
(d) 目単位に予算、決算比較表を作成して、予算残額(歳入については予算超過額を含む。)、流用額又は予備費充当額の著しいものについては、これを摘出して予算執行状況審査調書を作ること。
(e) 項単位に前年度決算額との比較調書を作成して、その著しく異なるものについて、事由を記入すること。この場合、科目の取扱いその他前年度と決算作成上に変更のある場合は、前年度決算額には、その調整を経たものとすること。
(f) 10万円以上の請負工事及び備品購入契約の原義について、その経過を明らかにする調書を作成して、内容上不整合のあるものを摘出すること。
(g) その他決算評価に必要な資料を作成すること。
(3) 事業(企業)決算に関する附加事項
(省略)
7 書類審査に関連する手続
(1) 書類審査を終わり、それぞれの審査調書ができたときは、監査委員会議を開いて調書に記載された欠陥事項の評価、取扱い方法を協議して決定すること。
(2) 明らかに計数又は処理上の誤りと認められるもの(例えば支出命令の欠陥等)については、会計管理者を通じてそれぞれの主管部課に連絡して、これについて必要な事後措置を考慮、実行された上、その関係書類上で事後措置済の事実を確認して、その措置月日を調書の所定欄に記入すること。
(3) さらに調書を要すると認めるものは、調査方針を定めて調査を進めること。
第5 事実調査
(1) 期末の用品その他棚卸資産についての主管部課で行なう棚卸しには監査委員または補助職員が立会つて、その手続の当否、結果を確認すること。
(2) 各監査を通じて重要な工事、財産、備品の購入その他必要と認める事項については、実地又は現品について証憑との突き合せ検討を行なつて、その結果、実査調書を作成すること。
(3) 月例出納検査に際しては、年4回、在庫品の一部について在庫量の実査を行なつて、関係資料の計数と突き合せをして、その結果を実査調書に記入すること。
(4) 特に重要と認める事項で、役所内部の証憑の外、直接外部の証拠を要すると認めるもの、または町税、料金、その他の未収入金については、直接相手方について、または書面による照会によつて、内部証拠の真否を確認すること。この場合、町税、料金その他の未収入金については著しく多額又は不審と認められるものの外は、無差別抽出により1回の執行数を100件程度とすること。
第6 講評及び弁明聴取
書類調査及び事実調査終了後、関係部課長に対して、諸調書の記載事項について審査結果の講評を行なう。
この場合、執行責任者として講評に対して意見、弁明のあるものについては、十分聴取して報告書作成の参考とする。
第7 報告、公表
講評終了の後、監査委員会議を開いて報告書作成のため、監査基準に定める監査の概要、監査意見及び審査概況の記載事項について協議する。
附 則(平成19年内規第1号)
この内規は、平成19年4月1日から施行する。